2026.06.18
宿泊2026年版|東京23区の宿泊事業の現状と今後の展望

はじめに
訪日外国人旅行者の増加に伴い、東京23区の宿泊需要は引き続き高い水準で推移しています。
一方で、住宅宿泊事業法(民泊新法)に加え、各区独自の条例による営業制限も強化されており、単純に「宿泊施設を始めれば儲かる」時代ではなくなっています。
私たちKaiseiは東京で宿泊施設を運営する立場から、東京23区の宿泊事業市場の現状と今後の方向性について解説します。
東京23区は日本最大の宿泊事業市場
東京23区は日本国内で最も宿泊需要が集中するエリアです。届出住宅数・宿泊者数とも全国トップクラスであり、訪日外国人旅行者の多くが東京を旅行の拠点として利用しています。東京23区だけで全国の住宅宿泊事業届出件数の約4割を占めており、日本最大の宿泊市場と言えます。
特に以下のエリアは依然として高い人気を維持しています。
- 新宿区
- 豊島区(池袋)
- 墨田区(押上・錦糸町)
- 渋谷区
- 台東区(浅草・上野)
これらの地域は観光需要と交通利便性を兼ね備えており、国内外の旅行者から高い支持を得ています。
宿泊需要は引き続き拡大
東京の宿泊市場を支えているのはインバウンド需要です。東京都の住宅宿泊事業利用者の約6割以上が外国人旅行者であり、中国、韓国、台湾、アメリカなどからの旅行者が主要顧客となっています。
また、一人当たりの平均宿泊日数も長く、短期観光だけでなく、長期滞在、ワーケーション、ビジネス利用など利用形態も多様化しています。
しかし規制は年々厳しくなっている
宿泊需要が高まる一方で、各自治体では規制強化も進んでいます。近年の条例改正では、豊島区、墨田区、目黒区などで新規参入への制限や管理要件の強化が進んでいます。
背景には、騒音問題、ゴミ問題、近隣住民とのトラブルなどがあります。今後は「運営品質」がより重要になると考えられます。
住宅宿泊事業だけでは限界も見えている
東京23区で宿泊事業を検討する場合、単純な住宅宿泊事業(民泊新法)だけに依存するモデルには限界があります。年間180日制限、区ごとの営業日制限、近隣対応義務、管理体制の強化などが理由です。
そのため近年は旅館業許可を取得した宿泊施設への移行が進んでいます。旅館業であれば年間を通じた営業が可能であり、より安定した事業運営が可能になります。
今後有望なエリア
私たちの運営経験から見ると、単純に届出件数が多いエリアよりも、駅徒歩圏、空港アクセス、インバウンド需要、再開発計画を重視するべきです。
台東区(上野・浅草)
東京観光の中心地であり、海外旅行者からの人気が高いエリア。成田・羽田両空港からのアクセスも良好。
墨田区(押上)
東京スカイツリーを中心とした観光需要があり、台東区より物件取得コストを抑えやすい。
豊島区(池袋)
中国語圏旅行者との親和性が高いエリア。ショッピング・グルメ・交通利便性を兼ね備える。
葛飾区
浅草・上野へのアクセスが良好で物件価格が低く、下町文化体験を求める外国人に人気上昇中。
宿泊事業は「物件探し」ではなく「運営力」の時代へ
以前は立地だけで一定の収益が期待できました。しかし現在は、レビュー管理、清掃品質、多言語対応、価格戦略、OTA運営など運営品質が収益を大きく左右します。同じエリアでも運営力によって収益差が大きくなる時代です。
まとめ
東京23区の宿泊市場は今後も高い需要が見込まれます。一方で規制強化や競争激化も進んでおり、「宿泊施設を持つこと」よりも「宿泊施設を適切に運営すること」が成功の鍵となります。
Kaiseiでは実際の宿泊施設運営経験をもとに、宿泊事業立ち上げ支援、運営改善支援、海外投資家向けサポートを提供しています。
